[フリーターだった20代]
僕は20代の大半をフリーターで生きていました。20代後半で幸運に就職できました。比較的、仕事は楽だけど、給料も安いという仕事です。給料は安いけど正社員という立場でボーナスももらえて社会保険も入れるし、とりあえず満足していました。
そのまま10数年、同じ職場で働いています。今にして思えばハードな仕事についても、すぐ挫折しただろうから、これでよかったと感じています。体力と精神力のなさには自信があります。
[仕事がなくなるのが不安で仕方なかった]
入った当初は、その職場を踏み台にしてもっと給料の高い所に、いつか転職してやろうと考えていました。しかし、それから10数年、一度として真剣に転職を試みたことがありません。転職するための準備の時間がなかったわけではありません。
むしろ社会人にしては時間はたっぷりありました。ただ僕自身が他の職場で働ける自信がなかったのです。僕はまったく使えないわけではないけど、それほど使えるわけではないという人間です。よく聞くハードな社会人の仕事や生活を自分ができるとは、とうてい思えなかったわけです。
そんなわけだから、会社を首になったり仕事をやめざるを得ない状況になったりすることを非常に恐れていました。仕事を辞めさせられる夢を何度か見たくらいです。起きた時は心底ホッとしたものです。
[仕事がなくなることが、それほど怖くなくなった]
しかし40歳を超えたあたりから、仕事がなくなることが、それほど怖くなくなりました。40にして惑わずと言いますが、僕の場合は、ただ感受性が鈍ったというだけでしょう。他に仕事がなくなっても平気な理由として考えられることとしては、以下の2つです。
①世間体を気にしない
②結婚をしない
①に関しては人並みを諦めると言い換えられます。40を超えてそういう境地に立つことができたのかもしれません。首になってフリーターになったとしても、世間体など気にしない境地です。同世代の平均年収にまったく届かなくても平気でいる境地です。高い車、おしゃれ、豪華な家などを求めないし、欲しくもない気持ちになることです。
②については、養うべき家族がいると、収入が少なくなるのはダメージが大きすぎます。共働きだったとしても、奥さんがいれば、気楽にフリーターというわけにはいきません。会社にしがみつかざるを得ないでしょう。
世間体を気にしたり、結婚できる人は、やはり幸運な人だと思います。その代償として失うものがある恐怖も大きくなるのでしょう。
僕の場合は、自然と世間体を気にしなくなり、結婚をしていません。必然的に会社を首になることがそれほど怖くはなくなりました。もちろん積極的に首になりたいとは思っていません。続けられるだけ続けて首になったり、やめざるを得なくなったら仕方ないという感じです。続けたとしても50歳くらいには、セミリタイアする予定ではあります。