自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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荻原浩「砂の王国」を読んだ

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[キンドルで100円セールをしていたから買った]

キンドルで小説のセールのランキングを見てたから100円で売ってたので買ってみました。あらすじは会社員からホームレスに転落した男が再起して新興宗教を設立して奮闘する話です。あらすじに惹かれました。

 

上下巻となっていて上巻は100円で買いましたが下巻は定価で買いました。話がどんどん大きくなっていってテンポもよく話の続きが気になって一瞬の迷いもなく購入ボタンを押しました。

 

[ホームレスのサバイバルが面白い]

主人公は会社をリストラされて離婚をして漫画喫茶などで宿泊する生活をすることになります。お金があるうちに仕事と部屋を見つようと計画していたところ全財産を持ち逃げされてしまいます。一気にホームレスに転落となります。

 

ホームレス生活のサバイバル生活がこの小説の面白さの一つです。ホームレスになったため様々な災難や苦労を味わうことになります。文章そのものや主人公のキャラクターもユーモアがあるため暗い雰囲気ではなく楽しく読めます。

 

警察や役所に助けを求めても冷たく対応されて屈辱を味わいます。自分で何とかするしかない状況になりコンビニの残飯をあさろうとしたら店員に水をかけられそうになったり他のホームレスにお金を無理やり取られたりとさんざんです。

 

寒さや雨をしのぐために苦労したり食べるものを確保するために四苦八苦します。お金が千円あったら何を食べられるかどれだけ食べられるかを考えてしまうことが涙ぐましいです。屋根のある場所で寝れて食事の心配をしなくてすむということはものすごくありがたいことなんだなあと感じました。

 

[アクセク働いて心を病むなら組織を大きくする意味がない]

主人公は何とかホームレスの立場から脱出した後、宗教団体を立ち上げます。様々な困難をくぐり抜けて組織はどんどん拡大していきます。拡大にともなってトラブルも増えるし事務処理の作業にも忙殺されます。主人公は睡眠時間を削って働きまくります。

 

個人的な勝手な価値観を元に考えると社畜並みに心を病んで睡眠時間を削って働いてはせっかく一国一城の主として組織を立ち上げても意味がないように感じました。主人公も最初はほどほどにお金を稼いでやりすぎないようにしようと考えていました。人がどんどん増えてきて新しく建物を作ったりと拡大路線に一度走ると組織というのはもう誰も拡大を止められないのかもしれません。

 

[コールドリーディングの話が興味深い]

主人公がホームレス時代に道で占いをしてもらうシーンがあります。そこでズバズバと自分の過去を当てられて主人公が驚きます。占い師は以前交通事故にあってそれ以来ぼんやりと普通の人には見えないものが見えるようになったと話します。

 

あまりにズバズバと占いが当たるため主人公はこの占い師は本物だと感じます。しかし実際はコールドリーディングで誰にでも当てはまることを言っていたに過ぎなかったわけです。読者は主人公と同じ目線で占いの話を聞いているので僕もこの占い師は霊能力者なのかなと思って読んでいました。

 

誰にでも当てはまることをさもその人個人の事を言い当てているように話すのがコールドリーディングですが誰にでもできるわけではなく話術や観察力など訓練された上で才能のようなものも必要なようです。

 

コールドリーディングに対してホットリーディングというものもでてきます。ホットリーディングは事前に占いする人の個人情報を調べて集めておいてあたかも占いしたように話すことです。コールドリーディングやホットリーディングを駆使して組織を拡大していきます。

 

[組織の中で自分の地位を確保していおくのが大事]

組織を維持して拡大するために主人公は身を削るようにして精一杯働きます。しかし組織が拡大するに従って主人公は組織の中で立場が危うくなります。悲しい話ではありますがどれだけ組織に貢献しようが設立者であろうが自分がいなくなったら非常に困るという状況を作っておかないといつでも切り捨てられるリスクがあります。

 

会社の中で技術者がプログラムを作った時、他の人にはエラーが起こっても対応ができないようしてブラックボックス化したりする話を聞いたことがあります。本来なら自分がいなくなっても誰でもトラブルが起こったら対応できるようにしておくのが組織のためです。しかしそうすると今度は自分がいつ切り捨てられてもしかたないという状況になり個人の利益を考えるならブラックボックス化することが最善となります。

 

主人公はこの考え方が欠落していたために組織内で立場が弱くなっていきます。このあたりもこの小説の面白さのひとつです。裏切りにつぐ裏切りが起こります。最初に述べたように主人公がユーモアのあるキャラクターのためあまり陰鬱な感じにならずに読むことができるのもこの小説のよいとろころです。

 

[まとめ]

エンディングは賛否両論らいしいですが面白い小説というのはそういうものなのかもしれません。僕自身も消化不良で続編を読みたい気持ちになりました。それも面白い小説だったからだと思います。ぜひ大勢の人にこの小説を読んでもらいたいです。

 

砂の王国(上) (講談社文庫)

砂の王国(上) (講談社文庫)

 

 

 

砂の王国(下) (講談社文庫)

砂の王国(下) (講談社文庫)