最近、漫画喫茶に何回か行って「仕掛け人 藤枝梅安」を読んでいました。原作池波正太郎 画 さいとうたかをの作品です。内容は要するに必殺仕事人です。法で裁けぬ悪人を依頼を受けて葬り去るという話です。
[悪党がやりたい放題の世界]
基本的には吐き気がするような悪人が善良な人々を苦しめたり傷つけたりします。存在するだけで世の中の害悪になるような人間がやりたい放題します。そして地元の親分から主人公である藤枝梅安にこの世から葬り去るように依頼が入るというのが毎回の話の流れです。
悪人は本当にどうしようもない奴が多いので藤枝梅安が無事に仕事を果たすと痛快だったりホッとしたりします。しかし現実には当たり前ですが藤枝梅安は存在しませんでした。必殺仕事人のような存在もいなかったでしょう。
それが現実といえばそうなのかもしれませんが本当に悪人はやりたい放題だったでしょう。現代と違って警察、マスコミ、選挙がないのが大きな要因に感じます。
僕も江戸時代に生まれていたら辻斬りに斬られて川に捨てられて犯人も捕まらず忘れ去られていたかもしれません。江戸時代は権力者と暴力を振るう者がやりたい放題に振る舞う絶望的な社会と言えるでしょう。
[完全犯罪が多かったと思われる]
江戸時代には警察がいないので他人に危害を加えたり暴れ回る者がいても電話で110にかけるというわけにはいきません。奉行所や代官に訴え出なければなりません。現代でも一般市民が警察や弁護士に相談するということはヘビーな出来事です。身分制度のある時代、町人や農民は被害者だったとしても気軽に訴えでることはできなかったでしょう。
さらに苦労して訴えても役人が積極的に動かなかったり悪人と癒着しているなんてことは当たり前のようにあったと思います。そして仮に正義感が強くやる気のある役人がいたとしても科学捜査をしてくれるわけでもないので犯罪が起こった場合あまり頼りになりません。
テニスでも今はビデオ判定が導入されチャレンジ制度がありますが以前は審判が江戸時代の役人のように一方的に判断していました。ビデオ判定を見ていると審判の判定は間違いだらけで際どい判定は、はっきり言って適当に判定しています。
別に審判がいい加減だと言いたい訳ではなく生身の人間の能力には限界があるということです。テニスの審判と同じで江戸時代の捜査など穴だらけだったでしょう。完全犯罪も多かったと思われます。
[冤罪だらけだったのではないかと思われる]
漫画の中にあった話ですが、役人が犯人をなかなか見つけることができず責任を逃れるため犯人をでっち上げるのです。そして拷問にかけて自白させて一丁上がりというわけです。
でっち上げでなかったとしても怪しいと思われたら捕まって拷問かけられてしまいます。僕なら無実の罪だとしても瞬殺される自信があります。拷問に耐える自信がありません。怪しいと思われたら終わりなわけで運の要素が大きいです。
現代でも冤罪がたびたび問題となりますが江戸時代はかなりの割合で冤罪だったのではないでしょうか。
[まとめ]
江戸時代は暗黒の時代だったと思います。暴力と権力の腐敗が社会全体に行き渡っていたのです。でも落ち着いて考えてみれば現代を除いて、いつの時代もそうだったと言えそうです。現代に生まれた幸運をかみしめて生きていきたいと思います。