[ベタベタな設定で読みたくなった]
このミステリーがすごい2017のランキングが発表されました。そのランキングを見ていたら1位の作品のあらすじがものすごく使い古された設定の固まりだったので逆に興味を惹かれました。
まず○○荘の殺人というタイトルからして非常にありふれています。さらに登場人物は大学生がほとんどで学校内で名探偵やその助手と呼ばれる生徒もいます。
舞台は夏休みにサークルで合宿に行くOBの別荘です。そのOBはものすごい資産家の息子でその別荘もホテル並みの施設という設定です。その施設で合宿中に次々と事件が起こります。
ミステリーの王道の設定で昔の推理小説という感じです。この設定でこのミス一位ということは滅茶苦茶面白いのではないかという気になりました。それに久しぶりに王道のミステリーを読んでみたくなりました。
[展開は意表をついたが王道の推理小説]
文章は非常に読みやすいです。文学的表現や難しい表現もなくスーッと読んでいけます。しかし読んでいて物語の展開には意表をつかれ驚かされました。この小説ってこういう物語だったのか!?これってミステリーと呼べるのだろうか?と頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりました。
しかし読み進めていくと王道のミステリー小説となっていて感心しました。二重の密室とかクローズドサークルなどの言葉が出てきてロジックのみで犯人を絞っていくのは推理小説を読む醍醐味でした。
[読んでいる間楽しかった]
面白い小説を読むとページをめくる手がとまらなくなりますが久しぶりにその感覚を味わえました。読んでいる間はもちろんのこと中断して他のことをしている時でも時間ができたらまた続きが読めると思うとワクワク感があり楽しい気持ちでした。
面白い小説というのは読み終わるのもあっという間のため読後寂しい気持ちとなりました。またミステリー小説という性質上やむを得ないことではありますが謎解きが終わるとすぐに物語が終わってしまいあっけない感じもあります。登場人物に感情移入していただけにもう少し後日談を読みたい気もしました。
[まとめ]
大学生が夏休みに合宿で別荘などに行きクローズドサークルとなって連続殺人が起こり謎解きをするという小説を過去に5、6作読んだと思います。そのどれもが面白かったです。
思うに僕はこういう設定の作品が好きなんだと思います。そして多くのミステリー好きもそうなんだと思います。ちょうど水戸黄門で毎回同じことをしていても楽しめるように王道の設定は何回でも楽しめるのでしょう。
もちろんこの作品もオリジナリティにもあふれています。ミステリー好きなら間違いなく楽しめると思います。