自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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又吉直樹さんの「劇場」を読んだが他人には勧められない

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[火花と変わらないような気がした]

僕は前作の火花を読んでいます。火花は面白いと感じたわけではないですが自分の知らない世界が書かれていて興味深かったです。売れないお笑い芸人の生活など知らなかったのでその部分は面白く感じました。

 

その後NETFLIXでドラマを見たのですがドラマは小説をうまく実写化していて登場人物が魅力的に見えました。そういうわけで2作目の「劇場」にも興味はありました。興味はあるけど買うほどではないという感じです。「劇場」が掲載されている雑誌を同僚が買ったので読み終わった後、貸してもらいました。

 

2作目の作品は主人公が劇作家でジャンルは恋愛小説ということで1作目とはまったく違う物語を期待していたのです。しかし実際は「劇場」という作品は「火花」とまったく同じと言っていいくらい物語の違いを感じませんでした。

 

テーマは夢と現実といった感じです。恐らく又吉さんが書きたいものが本当は恋愛ではなくて夢と現実をテーマとした物語だと思いました。それならそれでかまわないのですが「火花」が物語として盛り上がりがあったのに比べてもこの「劇場」は特に何もなくスーっと物語が終わってしまった印象があります。

 

[口喧嘩のシーンだけ面白かった]

正直あまり面白くなかったわけですが唯一面白いと感じたのが主人公が口喧嘩したときの会話の内容でした。喧嘩相手を精神的に傷つけようと適確に言葉を選んで論理的に喧嘩相手を攻撃するシーンは現実を忘れて読みふけってしまいました。

 

これは僕が口下手で他人と口論や議論の場になるとうまく言葉がでてこないので口喧嘩のシーンに興味があるからだと思います。あとでああ言えば良かったこう言えば良かったとモンモンとすることがよくあります。

 

でも弁の立つ人というのは言い過ぎて後悔することもあるだろうし喧嘩相手に恨まれて不利益を被ることもあるかもしれません。この小説の主人公がまさにそういったタイプの人間です。

 

振り返ると言い過ぎなかったおかげで大きなトラブルを回避できたと思うことも何回かあり口下手も悪いことばかりではありません。ただこの小説の主人公のように喧嘩の時にポンポン言葉がでてくる人が羨ましかったりもします。

 

[やはり僕には文学は理解できないかもしれない]

「劇場」という作品は特に何か事件があるわけでもなく、ただひたすら平凡な日常を文学的と思えるような表現で書き続けている小説です。文学というのはそういうものなのでしょうか。もしこの作品が名作だったり傑作だったりするなら僕には文学が理解できないということです。エンタメ系の作品を読んでいたほうがよさそうです。

 

[まとめ]

この小説を友人知人に勧めるかというと勧めないです。話のタネに読むならいいですが何かを期待して読むならやめたほうがいいというのが僕の感想です。1作目がベストセラーになって多忙な中2作目を書いたのは立派だとは思います。でも2作目はやはり難しいということでしょうか。僕にはピンとこない作品でした。

 

 

新潮 2017年 04月号

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劇場

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