自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件を読んだ

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[とにかくすごい小説だった]

とにかくすごい小説だったというのが感想です。何がすごいかと言えば驚きがすごかったです。読んでいて少なくとも3回はものすごい驚きがありました。「嘘だろ!!」と思わず声に出しそうになるレベルです。本を読んでいてそこまで驚くことはそんなにありません。

 

だいたい推理小説は登場人物の誰かが犯人なので誰が犯人でも心の準備ができています。それにあらゆる立場の人がすでに実は犯人だったという小説がやりつくされており滅多なことでは読者は驚かなくなっています。僕もけっこういろんな小説を読んできたつもりですのでそんなに驚くことはありません。

 

しかしこの小説では衝撃的な驚きが3回ありました。これはものすごいことだと思います。さらにこの小説は20年以上前に書かれた著者のデビュー作ということでした。著者の本質はデビュー作にすべて表れるという話を聞いたことがありますが確かにそうなのかもしれません。

 

[本当にメルカトル鮎の最後の事件なのか信じれなかった]

そもそもなぜ僕がこの本を読もうとしたかと言えばメルカトルシリーズだったからです。探偵メルカトルが主人公の短編集を2冊読みましたがどちらも面白かったです。天才的推理力を持つメルカトル探偵の最後の事件ということで興味をもったのです。

 

しかし読んだ後はこれで本当にメルカトルの最後の事件なのか、あの全知全能感を持った探偵の最後の事件なのかと信じられなかったです。ネットで他の人の感想をいくつも読みあさってしまいました。そしてやはり本当にこれが最後のようでショックでした。

 

[読者を選ぶ小説]

この小説は伝統的な推理小説の要素てんこ盛りといった感じです。日本なのに田舎の古城が舞台で名探偵が登場します。密室殺人があり見立て殺人があります。金田一少年も真っ青になるくらい次々と連続で犠牲者がでます。警部が探偵に敬意や友情を感じていたりします。

 

論理を積み重ねて説明される推理は小気味良いものがありますがリアリティは皆無です。トリックも現実的とは言えず滅茶苦茶です。しかし話に勢いがあり驚きがあり面白いのです。

 

この辺り好みが分かれそうです。僕の意見としてはリアリティや理屈の整合性があったとしてもつまらなければ小説の価値は低いです。逆に理屈は滅茶苦茶でも面白ければその小説は価値があります。もちろん理屈も通っていて面白いのが一番なのは当然です。

 

人によってはリアリティがないとかトリックが滅茶苦茶という部分で拒絶反応が起こり本を投げ出したくなるかもしれません。それは好みの問題だから仕方ないことです。この小説は読む人によって評価が極端に分かれそうです。

 

[まとめ]

推理小説好きなら一読の価値はあると思います。僕のようにまずは他のメルカトルシリーズの短編集を読んでから読むのをお勧めします。そうすればより驚きが大きくなることと思います。

 

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

 

 

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