自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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橘玲の「言ってはいけない」を読んだ

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[なぜ自分がうつ病だったかわかった]

この本に書いてあることを一言で言うと人間の能力や性格は遺伝子の影響が大きいということです。犯罪者や反社会的な性格を持つ人に絞って調査すると実に90%が遺伝子の影響で10%が環境の影響という結果がでたとのことです。

 

そうなるとどこまでが本人の責任でどこまでが遺伝子の影響かわからなくなるという問題がでてきます。思うに人間の性格とか能力は大半が遺伝子によるものだと考えると他人の理解できない行動も説明できます。

 

学校でも職場でもどういうわけか攻撃的な人や人に迷惑をかけても平気な人が一定の割合で存在します。不思議と言えば不思議でしたが環境や教育の影響というよりは元々そういう遺伝子を持っていた考えるとすっきりします。同じ環境や教育を受けているはずなのにどこに行ってもある割合の人間が反社会的だったり暴力的だったりします。

 

そこで僕自身の話をしますと10代20代の頃はうつ病でした。30代になると自然と治っていったのですが10代20代の頃は心の中がドロドロの状態になり辛くて苦労しました。うつ病になるのは仕方ないとしてどうしてうつ病になってしまったのかがずっと謎でした。

 

これも遺伝子のせいということで納得できます。もともと日本人は幸せを感じるホルモンが少なく不安で神経質な民族らしいです。そのため他の国の人よりもうつ病が多いとのことです。もっとも不安で神経質というのは勤勉で真面目ということにもつながりそのおかげで繁栄できたと考えると悪いことばかりではないようです。 

 

[勉強ができるかどうかも遺伝子次第]

教育の現場では絶対に言われないことですが勉強ができるかどうかも遺伝子に強く影響されてしまうわけです。たてまえ上、人間は誰でもやればできる、やる気次第と言われ完全に間違いとは言えないまでもやはり綺麗事と言わざるを得ないのが現実です。

 

一回聞いただけで覚えてしまう人間と何回聞いても覚えられない人間では当然成績が違ってきます。10時間勉強しても苦痛を感じない人間と1時間でもつらくて仕方ない人間でも同様です。努力で多少能力を向上することは可能ですが持って生まれた能力の差を埋めるのは不可能です。

 

誰でもうすうす感じていたことではあると思いますが、この本を読んで改めて納得できました。学歴社会では遺伝子の優劣にによって人生や社会の成功が左右されてしまうという言ってはならない真実があるわけです。

 

[絶望でもあるけれど救いでもある]

この本に書いてあることは絶望的なことですが、語り口がユーモアで綺麗事を言っていないという点で好感が持てます。また絶望的であると同時に救いでもあると感じました。自分自身のダメな部分、他人の理解できない不可思議な行動も遺伝子のせいならば仕方ないと思えるからです。

 

もちろん全部遺伝子のせいにして努力をしなくてもいいとは思いません。野生動物でも劣った遺伝子を持つ個体が精一杯生きているように人間も出来る範囲で希望や可能性を追い求めるべきです。ただ遺伝子や生物の進化の歴史などの知識があればうまくいかないことがあってもそれなりに納得して違うことに挑戦しやすくなるのではないかと感じます。

 

[まとめ]

この本はまさに言ってはいけないことばかり言っています。その割にはそんなに批判されたり議論になったりしたのを聞いていないですが、みんなうすうす感じていたことだからでしょうか。

 

この本は言ってはいけない事を基本的に言っていますが猿と人間の進化の歴史など読み物としてもなかなか面白く読めました。そういう壮大な時間の流れを考えると自分の人生などちっぽけで気持ちが軽くなったりもします。人生に行き詰まっている人が読めば直接役に立つことは書いていないですが価値観を揺さぶられて気持ちを新たにできるかもしれません。

 

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

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