[人手不足にならないと人を大事にしない]
今年は43年ぶりに求人有効倍率が高まったそうです。僕自身は今年1年は人手不足に苦しんだ1年でした。今までと同じ時給では全く応募がないという状況で明らかに去年までとは違う雰囲気でした。時給をどんと上げて求人広告の文章も練ってようやくチラホラ応募がある状況です。
世間的にも空前の人手不足は本当のようで人手不足倒産も急増しているとのことです。ビジネスとしては利益が出ているにも関わらず人手が確保できないためビジネスの継続ができないのです。
人手不足の状況が続く中、全ての契約社員やパート勤務者を正社員化する企業が出てきています。人手不足なので人手確保のため人材を囲ってしまおうということです。
正社員になると責任が重くなったり仕事がハードになるのが普通です。それに押しつぶされないようにサポートしたりケアしたりする取り組みをしている企業も増えています。なかなか至れり尽くせりです。
さらには第2新卒や元ヤンキーのような地元で暴れていた若者を教育して積極的に採用する動きも高まっているようです。
これらの出来事はすべて働く人達にとって好ましいことです。多くの人間の人生をいい方向に変える可能性を秘めています。人手不足万歳という感じです。
いいニュースだと感じる一方で人手不足にならないと人間を大切にできないものなんだなと少し寂しい気持ちもしました。本当は人手不足だろうがなかろうが人間を大切に扱うべきです。残念ながら人手不足にならないと労働者は大切にされません。ヨーロッパの農奴が解放された一番の理由は人手不足だったと言うのもうなずけます。
どれだけ法整備しようがメディアがブラック企業を非難しようが労働法違反はなくなりません。唯一労働者の立場を改善しうるのが人手不足なのでしょう。
需要と供給の法則が世の中で最も強いものの一つです。とにかく少ないものは大切にされます。金も石ころのようにそのあたりにいくらでも落ちていたら価値はありません。少ないから価値があるわけです。
人間も数が多いと粗末に扱われます。代わりがいくらでもいれば適当に対応される可能性が高まります。数が少なければ大切にされます。そう考えると少子化も悪いことばかりではないなと思います。
[いい仕事に巡り会えるかどうか時代の運が大きい]
今のような人手不足の時代なら履歴書に空白があったり前の会社を3ヶ月で辞めていても新しい仕事を見つけることができる可能性は高いです。
結果として自分に合った仕事を見つけられるかもしれないし様々な経験を積むことが可能です。一方で就職氷河期のような不況の時代だと仕事を見つけられないまま年齢を重ね、さらに仕事を見つけられないという悪循環に陥ります。
こういうことを考えると人の人生なんて生まれた時代によって大きく左右されるよなとため息がでます。もっとも本当に運が悪ければ徴兵されてジャングルで泥水すすりながら戦争させられてたかもしれないので戦後に生まれた人はみんな幸運だとは言えます。
[余ったらまた切り捨てられる]
全員正社員化するのは素晴らしいことですが不況になったらまた切り捨てられるのは覚悟しなければなりません。これは資本主義社会である以上やむを得ないことでしょう。
実際、銀行などでは今でも何万人削減予定などと発表しています。5年後10年後は社会全体がそうなっているかもしれません。
僕自身は今現在人手不足に悩まされています。数年後には不況で仕事はなくなり自分が仕事を探す立場になったら人が余っているという最悪の未来が頭の中を横切ったりします。
暗い未来ばかり考えても仕方ないので今日1日を楽しむことに集中したいとは思ってます。
[まとめ]
空前の人手不足で労働者が大切に扱われるようになるのはいいことです。僕自身は人手不足に頭を痛めている状況ですが人手不足がすっと続けばいいと思ってます。願わくばセミリタイア生活に入ってパートで働くようになった時も人手不足であってほしいです。