自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間を読んで

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うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

 

 [恵まれすぎていて同情できない]

僕はかつてうつ病でした。そして将棋界に興味を持っています。だから将棋棋士九段の先崎学九段がうつ病の本を出すと聞いたとき読みたくてたまらなくなり予約してしまいました。今回はその感想を書こうと思います。

 

まず先崎9段には僕は好意的な感情を持っています。過去に何冊か著書を読んだこともあります。ですがこの本の内容は薄く感じました。基本的にうつ病で苦しく文章が理解できないとか物事を悪く考えてしまうということしか書いてありません。

 

うつ病について書くとなると結局そうなってしまうのかもしれませんが読んでいて失望を感じざるを得ませんでした。もう少しうつ病になった背景や事件などが書いてあるのかと思いきや特にこれといったこともなく急にうつ病になっています。

 

しかもあまりに先崎9段が恵まれた環境にいるため同情できないばかりか読んでいて眉間にシワがよってきました。自分がうつ病の時は休むこともできず周囲から攻撃され死にたいと思いながらも死にきれず何年も苦しみました。

 

一方先崎九段は仕事を完全に休むことができて大勢の人間から気を使ってもらい治療に専念できています。正直なところ自慢話を延々と読んでいるような気持ちにさえなりました。明らかにそうと感じる文章もいくつかありました。苦しんだのは本当だと思いますが先崎九段は人生勝ち組みの人間だと改めて感じました。

 

[将棋棋士はやはり現代の貴族だった]

この本を読んで他に感じたことは将棋棋士は現代の貴族だなあということです。もちろん色々大変だということも書いてありましたがそんなもの普通に企業に勤めているよりは圧倒的に楽です。もちろんそれは厳しい勝負の世界を勝ち残った人間の特権でしょう。

 

将棋教室を開くという話がこの本の中にありました。1局二千円と格安にも関わらず2人しか来なかったと先崎9段は落ち込んでしまいます。しかし二千円というのは格安なのでしょうか。二千円あったらサウナで一日ゆっくりできます。食事もがっつりできます。

 

2人いれば4千円です。相場をよく知らないのですが悪くないようにも感じます。その後はけっこう安定して客は来ているようだし悪くない副収入です。将棋の対局は休場してない場合週に1回くらいです。勝てない人はもっと少ないでしょう。後は完全に自由で練習対局したりイベントに参加したりと優雅です。

 

[良いところは将棋界の人間関係が多少わかること]

この本を読んで面白かったところは先崎九段と他の将棋棋士の交流がわかるところです。将棋界に興味があるのでその部分は興味深かったです。中でも現在タイトルホルダーの中村王座との会話は面白かったです。

 

この本に登場する棋士は本当に先崎九段のことを心配しているようで人間的に好ましいです。人となりも多少わかって親近感がわきました。この人たちがどういう将棋を指していくのか楽しんで見ていけると思います。

 

[まとめ]

勝ち組み人間の自慢話と感じました。将棋界の雰囲気や棋士同士の交流などが書いてあるので将棋ファンには楽しめる部分もあります。将棋ファン以外はあまり買わないでしょうけど。

 

残念ながら僕には内容が薄く感じましたが、もともとうつ病について書くとなると「死にたくなる」「物事を悪く考える」「集中力がなくなる」くらいしか書く事がないのはやむを得ない気もします。こういうものと言えばこういうものかもしれません。

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