自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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原田マハの「楽園のカンヴァス」を読んだ

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[絵画の知識がなくても面白かった]

このミステリーがすごいランキングにのっていたので読んでみました。ストーリーはアンリ・ルソーの絵画が本物か偽物かを判断するというものです。2人の鑑定家がある屋敷に呼ばれて1週間滞在することになります。1日1章ある物語を読んで最後7日目に本物かどうか判断して勝者がその絵画をもらえるという条件です。

 

物語の中心は絵画のため当然絵画の説明が多くなります。僕はまったく絵画に興味も関心もない人間です。だけど面白く読むことができました。アンリ・ルソーという名前もまったく知りませんでしたがこの小説を読んで興味を持ちました。

 

[小説の中の小説が面白かった]

物語の中で登場人物が小説を読みます。その小説がなかなか面白く読みふけってしまいました。歴史的に有名な画家たちの物語でその話が真実なのかフィクションなのかもわからないまま登場人物も読者も読み続けることになります。登場人物も最初は絵が本物かどうかの判断材料を探そうという気持ちで読み始めます。しかしすぐに物語の中に没入してしまいます。

 

小説の中の小説のストーリーがどうなるかというのもこの小説の魅力の一つです。だんだん本来の小説のストーリーより気になってくるくらいでした。絵画に詳しくない僕でも知っているほどの歴史的に有名な人物も登場してきたからという理由もありました。

 

[ミステリーの要素は少なかった]

この小説をミステリーと言っていいかどうか微妙なところです。謎が一つでもある小説をミステリーと呼ぶなら間違いなくミステリー小説です。一般的にミステリーというと犯罪が起こって警察やら探偵が活躍するのをミステリーというイメージがあります。そういったジャンルのミステリーでないことは間違いないです。

 

この小説の中の主なミステリーは絵画が本物かどうか、登場人物が読んでいる物語は真実かフィクションか、物語は誰が書いたのかくらいです。他にもいくつかありますがだいたいこんなところです。ミステリーというよりは絵画に情熱を持つ人たちの熱いヒューマンドラマといった感じでした。

 

[当時の画家の情熱に感動した]

アンリ・ルソーが絵を書くのが好きすぎて仕事をやめて画家として生きていこうとします。しかし絵画はまったく売れず世間からも酷評され極貧と孤独の中で絵を書き続けます。ルソーと友人である偉大な画家との友情、絵画に対する情熱、孤独の中での片思いなど胸が熱くなりました。好きなことで生きていくということはこういう生活をする覚悟を持つことなのかなと感じたりもしました。

 

アンリ・ルソーは生きている間に結局世間から評価されることはありませんでした。果たしてルソーは幸せだったのだろうかと考えたりします。好きなことをしていたわけだから不幸ではなかったと思いたいです。

 

作品は歴史に残ったわけだから素晴らしい才能をもっていたのは間違いありません。でも例え自分の作品が歴史に残らず消えてしまったとしても生きている間に評価されて経済的に報われた方が幸せなのは確かです。そういう意味でルソーは気の毒だったなと思ってしまいます。

 

[まとめ]

一般的なミステリーとは違いますがとても楽しめました。豪華な屋敷に呼ばれて一週間過ごすなどミステリーっぽい雰囲気も確かにあります。絵画の知識がなくても楽しめるので誰にでもお勧めです。

 

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

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