自由を求めて

セミリタイアを目指す40代会社員の日々感じたことの記録をしていこうと思います。連絡先はkenkou146@gmail.comです。

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詐欺の帝王を読んで

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[騙される人間は2度3度騙される]

振り込め詐欺の被害金額は毎年数百億円に登ると言われています。10年以上前から大きく報道されています。これだけマスコミで騒がれているのになぜこの詐欺に人々が騙されるか不思議でした。


なぜ騙されるか分かれば自分の身を守ることに役立つかもしれないと思い本書を読みました。詐欺する側の基本戦略としては1度騙された人間を2度3度と騙すことらしいです。1度騙された人間は必ず2度、3度と騙されると言います。一度騙されると人間不審になり用心深くもなり簡単には騙されないような気がします。


現実には逆で1度騙されると損したお金を取り戻そうという心理になり2度目も騙されるらしいです。被害者を救う会などを作ってさらに被害者から絞りとります。言うまでもないことですが最初の1回を騙されないことが重要となります。ただ欲の皮をつっぱって騙されるわけではなくて子供を思う親心などにつけ込まれているのがやっかいです。


実際の詐欺は警官役や弁護士役など様々な人間も登場して手が込んでいます。自分は騙されないと自信を持つのではなくて騙される可能性があると思っていたほうがいいようです。僕自身は詐欺の被害にあったことがなく周囲の人間にもいません。


なんとなく自分は騙されないというような自信を持ったりしますが、その自信こそがつけ込まれるスキなのかもしれません。同僚で財布を落として困って家に電話したら振り込め詐欺と思われて家族に信じてもらえない人がいました。それは笑い話だったのですが、それくらい用心深くいたほうがいいのでしょう。


[ハードな世界]

詐欺の増加には日本の雇用環境の悪化が原因の一つとされています。ブラック企業の増加により真面目に働こうとしても奴隷のように扱われて良心をすり減らす若者が大勢います。最初は良心の抵抗を感じながら詐欺をしていても生きていくためには仕方ないと割っきてしまうそうです。


芥川竜之介の羅生門のように生活していけないという事実が良心も倫理も吹っ飛ばすようです。この詐欺の帝王の組織では新入社員でも月100万円もらえていたということで確かに良心を吹っ飛ばすには十分な金額だったようです。幹部で月1千万円、頂点の人間は何億円も入ってきたそうです。


そうは言っても詐欺の帝王もなかなか大変な目にあってはいます。チンピラに襲われたり暴力団にボコボコにされたり、トラブルになった人間に足を銃で打たれて入退院を繰り返したりしています。そして常に警察や税務署の目を気にしていないといけません。


大変な世界であっても莫大な報酬があるのは事実であり、まともに生きていく方法がなければ挑戦する人間は後を絶たないでしょう。ブラック企業の撲滅や何度でも何歳でもやり直せる社会が詐欺をなくすには必要と感じました。現実にはなかなか厳しそうです。

[日本の警察は優秀]

詐欺をやめる動機はほとんど警察に捕まることを恐れてということしかありません。実際一部の詐欺師を除いてほとんど逮捕されてしまうようです。だからある程度まとまった金額を稼ぐと詐欺をやめてまともな商売を始めたりするとのことです。


それでも常に新規参入もあるので詐欺はなくならないわけです。社会の構造そのものを変えるくらいでないと詐欺はなくせないでしょう。事実上それは不可能なので詐欺はこの世からなくならないということになります。警察の地道な活動に期待するしかないようです。

[まとめ]

詐欺の被害というのは何十年も昔からなくなりません。同じような手口が何度でも使われます。ある程度パターン化もできるようです。学校教育で詐欺の時間があってもよさそうです。お金や税金、法律とか契約について中学や高校で教えれば被害は減っていくのではないでしょうか。


そういう意見もチラホラ聞いたことがありますが実現することは永遠になさそうです。理由は政府が国民が賢くなると制御するのに困るからといっている人がいましたがありそうなことです。江戸時代も幕府はお百姓さんに読み書きを教えなかったり独裁国家も情報をなるべく国民に与えないようにします。残念ながらそれが人間社会というもののようです。

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